あなたは、不眠症になったことはありますか?
おそらく誰でも夜眠れなくなったことはあると思いますが、眠れないことにこだわってますます眠れなくなるとホントにつらいですよね。
今回は「不眠症の治し方」について森田理論を使って説明したいと思います。
残念ながら「この記事を読んだら必ず誰でも不眠症は治ります」と無責任なことは言いませんが、ひとつの理論として参考にしていただければ幸いです。
目次
眠れないことは、病気ではない
睡眠時間は個人差がある
自分の意思で「眠る」ことはコントロールできない。出来ることは、「起きる」こと
布団に入る1時間前から刺激はさける
身体を休める為、眠れなくても布団の中で横になる
体内リズムを一定にする
眠れない時は、何を考えたらいいのか?
眠れないことは、病気ではない
眠れなくなって「眠る」ことに意識が向きだすと「しっかり眠らないと次の日の仕事に支障が出る」と考えてしまうことはないでしょうか?
最初から精神論で恐縮ですが、眠れなくても次の日の仕事に支障が出ることはまずありません。まずいのは「頭がスッキリして気持ちよく仕事をしたい」と思うことです。
忙しい人が睡眠時間を削って仕事をしていることは、よくあることです。徹夜で仕事をする人もいるわけですから。
眠れなくても仕事は出来るわけですから、眠れないことは病気ではありません。
我々森田神経質症で悩む人は、ひとつの症状が気になるとそれを気にして病気でもないのに自分の意思で取り除こうとします。病気でもない症状を取り除こうとすることが間違った考え方になります。
人前で話す時は異常に緊張する人(あがり症)、人に嫌われたくないと必要以上に気を使う人もいます(対人恐怖症)。電車に乗ると密閉された空間に極度に違和感を持つ人もいます(乗物恐怖)。(森田療法では症状に違いはあっても元は同じと説明しています。)
夜、すぐに眠れることもあれば、眠れないこともあります。眠れなかったことは、それほど気にすることではないのです。
睡眠時間は個人差がある
森田療法を勉強していくと「人と比べることはよくないこと」と理解出来るようになります。
(当然ながら人と比べていい刺激を受けて頑張ることはいいことだと思いますが、不必要に人と比べて自分の弱点ばかりに目を向ける必要はないということです。)
睡眠時間は、6時間必要とか、やっぱり8時間くらいあった方が、と聞きますが、やはり個人差があると思います。
年齢のせいかと思いますが、数年前から土日でも早く眼を覚まします。もう少し寝ていた方が、頭がスッキリするかもと思っていた頃もありました。
それでも最近はいい意味であきらめて早く目が覚めると無理に寝ることはしていません。それでも生活には支障ありません。逆に朝の時間を有効に使うことが出来ます。
自分の意思で「眠る」ことはコントロールできない。出来ることは、「起きる」こと。
「勉強が出来るようになりたい」
「マラソンを完走したい」
「痩せたい」
「部屋を綺麗にしたい」
このような欲望は自分で頑張ることで達成できます。
なので、悩む人は強い意志を持って頑張ると欲望が達成できるのではないかと勘違いしてしまいます。
ただ「眠りたい」という欲望は自分の意思ではコントロール出来ません。
森田療法では、「感情は自分の意思ではコントロール出来ない。自分の意思でコントロール出来るのは、自分の行動だけです」と説明しています。
眠ることは、感情ではなく生理現象ですが、これも自分の意思ではコントロール出来るものではありません。
ではどうするか?
朝、起きるという事です。
眠いのに朝起きることは自分の意思で出来ることです。朝、目覚まし時計がなったらその日眠ることが出来ず悶々として夜を過ごしたとしても、気合で起きましょう。
これ、すごく大事です。
ここで「今日は眠れてないからもう少しでも眠りたい」と寝てしまっては、その日の夜も眠れなくなってしまいます。
ここは頑張って自分の意思で起きることが大事です。
布団に入る1時間前から刺激はさける
どうやら人間には一日の生活のリズムがあるようです。
寝る時間を夜の11時と決めると1時間前からは刺激のあることは避けて、身体と精神を落ち着けましょう。
テレビで刺激のある番組を観るのはやめましょう。
スマホも見ないようにしましょう。
お風呂に入ってリラックスしましょう。
身体を休める為、眠れなくても布団の中で横になる
睡眠は、頭を休めることと身体を休める意味があるようです。
眠れないとあきらめて布団から出て何かをすることも絶対にダメではないですが、身体を休める為に布団の中に入って横になりましょう。
本当に疲れて「眠れなくてもいいや」と心の底から眠ることに意識が向かなくなったら眠れるかもしれませんよ。
体内リズムを一定にする
自分の意思で決まった時間に起きて、夜は決まった時間に布団に入って休めていると身体の中のリズムが出来てきます。
同じ時間に起きる。
昼はやるべきことをやる。
夜は決まった時間に布団に入る。
これで自分の一日の体内リズムを作って一定に保つことが大事です。
間違っても休日の昼間に眠くなったからと言って、睡眠時間を取り戻そうとしてはいけません。
眠れない時は、何を考えたらいいのか?
昔からの定番の話ですが、眠れない時は羊の数を数えるという話があります。
これは、当然ながら効果はありません。
なぜか?
目的が羊を数えることではなくて、眠る為に羊を数えているので、数えている間はずっと眠ることを意識しています。
眠ることに意識が集中しているので、この状態(羊を数えている)を続けていると眠ることは出来ません。
眠れないと次の日の仕事は大丈夫だろうか?など不安はどんどん募って焦ってくると思います。この焦りは嫌ですよね。
「気にしない」ことだと思いますが、これは非常に難しくて、不眠症に悩んでいる人はホント出来ないと思います。
ここからは、私の意見です。
「楽しいことを考える」が一番いいような気がします。
以上です。
他の症状もそれぞれ症状にとらわれている時は、苦しいと思います。
不眠症も病気ではないと言いながらものすごく苦しいと思います。
森田療法を使って「不眠症の治し方」を説明しましたが、この3000文字足らずの文章で簡単に治るようなものではないと思いますが、少しでも参考になればと思います。
【参考1】
起きている時に太陽を浴びて体を動かすと寝つきはいいです。
息子が小学生の頃少年野球をやっていて、土日にコーチとして一日中付き添っていましたが、その時はよく眠れました。太陽の力は強いです。
【参考2】
どうしても眠れない時は変にこだわらず睡眠導入剤を飲んでいいと思います。
専門医の診断に従ってください。
※千葉県には4つの集談会があります。船橋集談会は、毎月第3日曜日に船橋駅近くの船橋市中央公民館で開催しております。
キャサリン (日曜日, 12 4月 2020 17:12)
はじめて、船橋集談会のサイトにおじゃまさせていただきました。
1年前から、睡眠障害になってしまい、参考になりました。
気にしないようにすると、ますます気になっちゃうんですよね。
羊を数えていたら、違うこと考えちゃったり、そんな自分を無能だと責めたり。
太陽にあたって体を動かすのも、自然的でよさそうですね。
HP管理人 (火曜日, 14 4月 2020 22:30)
キャサリンさん
コメントありがとうございます。
睡眠障害は、苦しいですよね。
「気にしないようにしよう」と思えば思うほどますます気になるんですよね。
このブログに書いたように理屈で分かって、すぐ治るればいいのですが、少し気長に考えた方がいいかもしれません。
時々ブログ更新していきますので、よかったらまた覗いてください。
症状に関係なく森田療法の考えは、じわじわと効いてくると思います。